足跡を追って
GM(Lain) 2013.03.18 [01:32]
分岐点にて罠を仕掛け、一行は北東側へと道を進む。分岐点の罠の出来栄えは悪くない。
素人であれば見つかることはまずないと言ってよく、したがって頭の出来は人間の素人以下である妖魔どもに発見される可能性も相応に低いものと判断して差し支えなさそうだ。
※ ※ ※
橋の近辺に仕掛けた罠の塩梅は上々だった。
とりわけ、バーラーの設置したそれの出来は会心といってよい――罠を仕掛けて獲物を捕らえることを生業とする猟師でさえ発見できずに引っ掛かること請け合い、という代物である。
まして、妖魔どもがそのような罠を避けられることなど、万にひとつの可能性もない。
この地点を妖魔どもが人に感づかれずに通り抜けることは、不可能といってよいだろう。
※ ※ ※
3人と1匹は川を渡る。
水量や水の状況、流着物などはヴェンから聞いたそれと変わりなく、つまり川の状況には、半日強でこれといった変化が現れていないことが窺われる。
橋の造りは粗末なもので、丸木橋とそう大きく変わるものではない。
巨人がこの川の向こうにいたとして、橋がどれほどの役に立つか、といえば、疑問を呈さざるを得ない程度のものだ。
逆にそのような造りであるゆえ、落とすことも(そして落とした橋を再建することも)そう難しくはなさそうだ。
とはいえ、後者に要する労力は前者の数倍となるであろうことは想像に難くない。
破壊はつねに創造よりも容易なものである。
川の深さはさほどのものではない。
水の冷たささえ気にせずに済むのであれば、橋がなくとも渡ることは不可能ではないだろう。
だが、それだけだ――人間や妖魔程度の大きさでは相応の危険と、そして確実に奪われる体温体力の心配をせねばならない。
それよりも明らかに大きなもの――たとえば巨人――であればそこまでの危険はあるまいが、足を取られる心配はやはりありそうだ。
※ ※ ※
川を渡ったその先、一行はこれもヴェンに聞いていたとおりの足跡を発見した。
靴の足跡。
すくなくとも川の近くまで来て、山へ引き返している。
5日から10日ほど前のもの――村人が入っている筈のない時期のもの。
森を抜け、疎林を抜け、ときに薄く、ときにはっきりと残るそれを、3人と1匹は追ってゆく。
尾根へ出ると、さすがに足跡は切れ切れのものとなった。
だが、アイリスとバーラーの見る限り、足跡は山の上へ――北へ向かって続いている。
足跡を追い、適宜休息を入れ、昼食を摂り、そしてまた上る。
地面と周囲とを交互に確認する――し続ける作業は、体力と、そして気力を消耗させる。
尾根道の途中で日が傾いた頃には、相応の疲労が3人を捕らえていることだろう。
ひとまずは野営をし、明日に備えねばならない。
今日は何事もなかったが、今夜も明日もそうであるとは限らないのだ。
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■GMから
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このカテゴリに返信できるのは、バーラー、アイリス、ミルの3人です。
ざっくりと夕方まで時間を進めました。
罠はしっかりと設置できました。
特に北東側B地点のそれは会心の出来となっております。
靴の足跡は尾根道を上り、北へ向かっているようです。
予定通り、北東組はこの足跡を追跡しており、H地点付近で野営の運びとなっております。
ここまでで描写した以外の追加情報はありません。
また、予備ダイスは使用しておりません(振っていただいたその他の判定で足りる、と判断したため予備ダイスまで消費が進みませんでした)。
なお、疲労云々についてはゲーム的な意味の特にないフレーバーです。
>みなさま
野営中に当直を立てるか否か、立てるのであれば直の順を決めてください。
また、全員、冒険者Lv+知力Bを基準にダイスを振っておいてください。
加えて、予備ダイスを3回ばかり振っておいていただけると助かります。
次回進行は20日夜の予定です。20日22時頃を一応の〆切といたしますのでよろしくどうぞ!