素直に

アイリス(一葉) 2013.02.12 [21:40]

> 「ホブゴブリンは人間と体格は同じくらいで力も強く厄介です。
>  シャーマンは精霊魔法と暗黒魔法の使い手です。
>  ロードはその名前の通りゴブリンの統率者で知力も高く
>  狡賢いです。オーガーは2mを越す巨人で力も強く人肉を好みます。」

 

 妖魔についてエリーズから教えてもらう。うんうん見込み通り物知りだ。
 だけど内容自体は、あたしとしては眉が寄らずにはいられない。

「げえ......なんでもって妖魔はそんなんばっかなんだ」

 すっぱいブドウに手を出す必要はない。それで暮らせるならドングリを甘いと思って食べればいい。
 皆がどう思っているにしろ、危ない橋は渡らないに越した事はない。
 もちろん、渡らざるを得ないなら八方手を尽くして渡りきるまで、だけど。

 

> 「あ、ヴェンさん。お時間頂いてよろしいでしょうか?」
> 「賭け事はまぁスルーしましょう。ですが女性を商品扱いし
>  まして当人の同意も無し。いけない事です。」
> 「さぁ、行きましょうかマーファ神殿に司祭様のお説教です。
>  ご安心ください。明日の明朝には間に合うようにお願いしますので、ああそれとも今ここで私のお説教聞きますか?」
> 「あ、セクトさん。また後で」
>
> 「セクトぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおルぅううううう...!!!!!(号泣)」

 

 笑顔のエリーズに連れられて行くヴェン。
 ああ、あの哀れな子羊にヴェーナー様の加護があらん事を。いや、いらないかな。

 ヴェンが賭け云々の話をした時に、エリーズがセクトールの様子を見ていたのをあたしは知っている。
 セクトールがどんな返答をするのか気になって仕方がない、という風に見えた。
 セクトールの啖呵も決してただの勢いだけじゃないも、あたしにも雰囲気で分かった。

「エリーズ、いい子だね。セクトールもエリーズの為だからアレだけ言えるんでしょ。
 野暮だけどさ。大事にしなよ」

 呆れたように笑ってエリーズとヴェンを見送りながら、あたしはセクトールの腕を軽く拳で叩いた。

 

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PL@一葉より:
 繋ぎです!
 セクトールとエリーズの信頼関係にニヤニヤしてます(・w・)