手を刺す罠

GM(Lain) 2010.11.15 [01:04]

 盗賊の記憶力を侮ってはならない。
 ざっと見ただけであっても、それを意識して記憶に留めようとすれば、案外複雑なものであっても覚えておくことはできるのだ。

 もう既に駆け出しとは呼べない域に達したセリトにとって、さほど複雑でもない紋様の記憶は難しいことではなかった。
 パムが持っている金属板の紋様と、今目の前にある扉の脇の窪みに刻まれた紋様は同じものだ。

 それがどのような意味を持つのか、ひとまず疑問は脇に置いてセリトは自分の仕事を続ける。

 鍵穴に道具を差し込み、内部の部品を押さえながら回す。
 いつもの手順。いつもの手応え。

 それは、慣れによる油断というものであったのかもしれない。
 鍵の外れる音と同時に、小さな金属音がした。

 手に鋭い痛み。
 慌てて手を引っ込める――血が、床と扉に散った。

 ドアノブの横に空いた小さな穴から、錐のようなものが突き出ている。
 よく見れば錐には、細い溝が彫られていることが解るだろう。
 固体や半固体の毒物を、犠牲者の血液に溶かし込むための仕組みだ。

 しかし、500年の歳月はセリトに味方した。
 この湿気――毒物はあらかた湿気に溶けて流れ去るか、劣化して毒性を失ったかしたようだ。

 念のためしばらく待ってみても、身体に異変の兆候は表れない。
 手の傷もそう大きなものではない。しばらくすれば血も止まることだろう。

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 扉を開くと、そこはどうやら武器庫か何かだったようだ。
 様々な種類の武器だったものが、あるいは壁にかかり、あるいは床に投げ出されて錆び果てている。

 一見しただけでは、使えそうな武器は見当たらない。
 だが、実際のところは調べてみるまで解らないだろう。

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■GMから

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 セリトのターン7です。

 記憶術:成功
 鍵開け:成功
 罠発見:失敗
 罠感知:失敗

 という流れ。

 セリトは飛び出してきた錐に手を刺され、2点のダメージを受けました
 本来毒のついていたもののようですが、毒は劣化して効果を失っています。

 部屋の内部は武器庫でした。
 この部屋の中から価値ある武器を探し出すには、ターンを消費してシーフまたはセージ技能による宝物鑑定セージorシーフLv+知力B)の判定を行ってください。