ラサークへ

GM(Lain) 2012.07.22 [01:32]

> 「開いてから0.5秒で放り投げれる自信がある!」
> 「キリっ」

 ふたりの共演を見たライナスは目を丸くし、一拍置いて笑い出した。

> 「ハッハッハ。まー、私もそっち方面は特に興味ないです。
>  それについては安心して頂いて良いですよ。」

> 「この中で見るな見るなと言われて・・・
>  見るような人居ませんよ、もう皆大人なんですし」

「ええ、いや、わかります」

 凝り固まった気持ちを解すための冗談、と彼は受け取ったようだ。

> 「まぁ、中身を見なくても持ち帰った後に厳重な調査を施される事になりそうですし?
>  その辺、面倒なのでちゃんと氏に持ち帰って頂くとしますよ。」

「はい、是非そうさせてください」

 それが役目ですからね、とライナスは言ってもういちど笑った。

※ ※ ※

 それはそれとして、とミルは己の記憶を探る。

 人狼はただ差し込むだけの月光で変身しえたか――?
 そのような環境下で、召喚の儀式魔術に成功した事例はあったか――?

 人狼は月光で変身するものではなく、月齢で変身するものであった筈だ。
 であるから、たとえ曇りや雨で月光が見えずとも変身はする。
 満月は人狼を変身させる――たとえそれが見えていなくても。

 召喚の儀式については少々複雑だ。

 これまでにアレクラストでは数限りない召喚の儀式が試みられている筈であり、無論その中には魔神召喚の儀式も多く含まれる。
 単純にいえばその中の30分の1ほどは満月の日に試みられているであろうし、更にその半分は満月の夜である筈だ。

 であるから、そのような環境下で成功した儀式、というのは数え上げればきりがないだろう。

 問題は、それが――そのような環境が召喚にどのような影響を及ぼすか、である。

 知る方法はある。
 賢者の学院が持つ膨大な記録、それらに当たればよい。
 日付の残る儀式魔術の記録を調べ上げ、月齢と照らし合わせて影響を判断する。
 決して不可能なことではない。

 だがそれに要する時間たるや――。

 そういったことは、それを専門に研究する学者がまず知ることであり、かれらが研究を論文にまとめ上げて発表することで他の魔術師や学者の知るところとなるものだ。

 不幸にしてミルはそういった研究が既に為されているかどうかを知らない。
 おそらく研究をしている学者はいるのだろう、とは考えられるけれど。

※ ※ ※

 地母神の教えと月との関係は浅くない。

 もともとが自然の恵みによって穏やかに暮らすことを是とする信仰だ。
 であるから、その自然の恵みに大いに影響を与える月の巡りにも縁は深い。

 たとえば種を蒔く時期の目安、たとえば収穫の時期の目安。
 そういった農作業の節目としても月の巡りや満月は知られているところだ。

 地域によっては、秋の満月の夜に収穫への感謝祭を執り行うこともあるし、種蒔祭を春の満月の夜に行うところもある。
 豊穣を願う儀式、豊作を感謝する儀式をそのような晩に行う神殿も少なくはないだろう。

 エリーズはまた、ラサークの修道院を開いた司祭についても些かの知識がある。

 レナート・コルベール。
 新王国時代初期のマーファ高司祭だ。

 彼は大陸を放浪し、各地にその足跡を残した。
 いくつかの神殿を開き、また新王国時代初期の混乱の時代にあって数多くの人を救った聖者とされている。

 開いた神殿のうちのひとつがラサークのそれであるということで、神託を受けたというのも彼であればと納得のいくところではある。

 建立の年代といいその謂れといい、ラサークの修道院はそれなりに由緒正しいもの、ということだろうか。

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■GMから

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>いあさん
 ライト小石おkでーす。

 ランタンの加工についてですが、非戦闘時は任意に/戦闘時は片手を使えば任意に、シャッターを開け閉めできるものとしましょう。