月と遺跡と禁呪の魔術師

ミル(いあ) 2012.07.19 [21:03]

>「呪文の詠唱を途中でやめるようなもの、です」

「ほむ......」


あごに手を当てて考え込む
するってぇと、確かにライナスのいうとおり、なーもおこらんてぇのが順当か
最悪、半端な体で暴走とかはなさそうやから、よかったと思いたい

やがて宿を取り、食事を済ませると、ウチはいつもの欠乏感を覚えた
そいや、吸うてへんな

先日市場で手に入れたバニラフレーバーの葉巻の吸い口を噛み切って、ウチは暖炉の火にさらした

じじ、と煙が燻りはじめる
オーケー、思考は良好

窓から天を仰ぐと、ぼちぼち満月か......

ふぅ、と煙で月をかきまわす
アレ次第でもあるんだよなぁ、今回は

「もう二、三日、休んでてもええねんで?」

お月はん相手にそんな戯れ言ことが出るほど、焦燥感がある
目の前におる難物ならけっとばすが、今回は向こうにイニシアチブがあるのがもどかしいってぇか


マークとセクトの推論には、正直恐れ入った
実に冷静な推理
ライナスが感心しとるのも頷ける

>「地下か。どうも占星術から遠くなりそうな要素なんだよな、これ。
> 月の出る方向に入り口が向いてれば
> 月光が差し込んだりもするんだろうけど。」

「うーん、月光といっても、満天でなくてもええのんかも知れへんな
 こう、地上に光取りになりそうな亀裂やら窓やらがあれば、そこに陣を敷けばええのかも」

ただ、こんな方法、あったっけかなぁ
頭に手を当てて考え込むが......あ、あかん、自信のうなってきた

「すまん、今のはあてずっぽや
 そういうことがあるんかは、思い当たらん」

ただ、確かに地下よりか地上の方が条件はよかろうけど、選択肢としては、遺跡を重視するって二人の意見には賛成

>「俺としては、マークと同じく一番は砦跡、二番は神殿跡だな」

セクトも口を開く
マーク同様、冷静な推理

「ウチも遺跡に一票や、ただ、最悪に備えて、神殿にはこいつを走らせておくってのはどないやろ?」

迅鉄をひょいと持ち上げた

「もっとも、遺跡から1km以内が行動半径やけど、それでも、ヤマが外れたときには効率がようなる思う」


その後、ライナスからは驚きの告白があった
ギアスとな!?

何やらかしたんやこいつ、と思うたけど
なるほど、禁書に触れるがゆえ、か

「そりゃ、鉄火場んなったら、ライナスは隠れとってぇな?
 万が一ライナスになんかあった日にゃ、禁書以上に損失や」

ウチからするとずいぶんおもしろくなさそうな部署やけど
先日尾行したときの様子からして、ライナスにとっては天職なんやろな
嬉々として書物をあさって満足ってのは、学院にとってはこのうえなく貴重な人材や

>「皆さんが最優先すべきは、禁書の奪還です――それが、学院からの依頼です。
> 私に万が一のことがあったときは、そのときは、決して禁書を開かずに――中を読まずに、学院へ持ち帰ってください」

悲壮な覚悟を語るライナスに、セクトは即答した


>「安心しな。たとえ俺がその本の中を見て、内容を読んだとしても――」

>「開いてから0.5秒で放り投げれる自信がある!」

「キリっ」

ウチは素早くセクトの後ろに回って効果音とか出してみた
わはは、らしいっちゃらしいなぁ、セクト

「ま、今夜は飲んだし食った
 また明日がんばろ」


んで、翌朝

>「シビアだな」

街道での追跡に戻ってから、セクトが漏らした

「シビアやなぁ」

ぷかぷかと煙をあげながら、ウチは頷く
セクトが感じてるのとはニュアンスは違うかも知れへんけど、ウチとしては、思ってた以上にこのヤマはやっかいに感じた
やっぱり、不確定要素が多いのは怖い

「まあ、がんばろ
 せやけど安全第一でさ」

(失敗したって、とのみち迷惑すんのはギルドやし)

煙の向こうにある景色を見ながら、心の中でつぶやく
ライナスには悪いが、ウチとしては、いよいよクビんなったって、賊家業でなんとでもなる
焦ってはやって死んだり怪我したりするくらいなら、そのほうがええ

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セクトールの宣言には、効果音つけて遊びますw

召還例として、差し込む程度の月光で成功したことがあるかどうか、セージで思い出してみます

もしくは、ワーウルフは、差し込んだだけの月光で変身するかどうか

21:22:32 いあ@ミル 2d6 Dice:2D6[1,2]=3+6=9

と思ったら、ぐはぁ、撃沈!!

すみませんー


質問は、皆さんがされている以外には思いつかなかったので、とくにありません^^