速攻......の前に

ミル(いあ) 2012.07.07 [17:34]



「エリーズです。よろしくお願いします」

「あ、よろしゅうー♪」

助かった
今度ばかりは、ウチかて依頼人の一人みたいな立場やし、腕の立つ同行者は多いに越したことはない
おっちゃんの無茶振り、ウチとライナスだけやったらおっかへんもんなぁ

流れで、皆の質問が始まる

禁書の持ち出しに関して、ライナスは語った

「ここ一月ほど、グラーニンはほぼ毎日、件の禁書を借り出していました。
 煩雑な手続きというのは書類から始まって、まあ書類を書かねばならないのは禁書に限らないわけですが――」

まどろっこしい手続き
それだけに、形骸化していく事務
わからんでもなが、まあこういっちゃなんやけど、盗賊ギルドの方が、そのへんはしっかししてるかもしれへん

 「そしてお互いに慣れてしまえばどうなるか、ということです」

その『慣れ』を利用した持ち出しか
てことは、それまでのグラーニンには、ホコリがあるわけでもなかったらしい

グラーニン、ねぇ......

「今日付けで彼、その司書は職を解かれました」

「あーまー、しゃーないなー、それは
 形骸化してたとはいえ、形骸化に手を貸してたってことと動議でもあるし
 かわいそやけどさ」


下手人の風体については、34歳と
ウチとしても、それ以上のことは知らへん

「彼のもう一つの研究対象。占星術が鍵だったりとかして。
 あれを専攻する人は結構な少数派、だろ?」


「ああ、よっぽどの物好きか、なんぞ関連して企てとるくらいかな
 専門部署はあるには違いないが......はて、このグラーニン氏は、そこに属してたかな?」

ぽくぽくぽく......
ウチは記憶をたぐり寄せてみる

ライナスのほうでもそれ以上は知らへんものの、人相書きを見せてくれた
ウチも学院で見たことあるかなぁ

「はい、徒歩で市門を出たようです」
 まあ、宿場町なりで馬を借りることはできましょうが

徒歩だったか、との質問への、ライナスの返答は明快やった
目撃情報もあるし、これは鉄板やろ

せやけど追っ手がかかることは承知のはずやし、向こうさんも道中で馬の調達くらいはする危険がある

「聞けばグラーニンは冒険者としての経験もなく。
 特に野外活動等に長けているわけでもないようだ。
 多少の遅れは挽回できるんじゃないか。」


「同感、急ごう」

ウチはみんなの顔を見た
あっちはあっちで、大方ではしちめんどくさい儀式をせにゃならん
せやったらなおのこと、急ぎの道中になるやろう
本来なら下準備の情報集めしたいとこやけど、どうやらそないな暇はなさそうや

「この禁書でなければダメだった。
 と言う事ならば、彼の目的は魔神の召喚である可能性が高い。
 彼の権限で閲覧可能、かつ可能な儀式に必要だった。
 そんなところなんじゃぁないか。」


「せやな、あと考えるのは、召還それ自体が目的なんか、てことや思う
 召還がただの手段だとしたら、本当の目的ってやつアテをつけときたい

 グラーニンが誰かと会ってたとこって、見たことある?」

マークが口にした裏技については、正直怖いので考えんようにした

「彼のもう一つの研究対象。占星術が鍵だったりとかして。
 あれを専攻する人は結構な少数派、だろ?」


「ん、せやな
 よっぽどの物好きか、特化した専門部署か
 はて、そっちらへんの部署、あったかなぁ」

しかし、天文......?
グラーニンとかいうこそ泥が天文学やってたとすると、禁書の内容から、目的地が類推できるかもしれへん

「ライナス、禁書には何か天文的な記述は?
 禁書の内容、ちょぃとでも覚えとる?」

ウチは視線を向けた
といっても、ライナスは膨大な数の書物を扱っとる
期待はせんとこう

「そうそう。出発するにあたっての準備ですが。
 出来れば一見で魔術師とはわからない服装に
 お着替え願う事は出来ますでしょうか。」

マークの言葉に、ウチは部屋においてるミニギターを思い浮かべた
あれ、もってこっと
セクトとセッションしたいな♪
......いや、おいといて

「ああ杖も、ですね。
 いや、そういうことであれば置いていきましょう。
 私はどの道魔術を行使できませんから、まあ、これは学院の正魔術師であるという証拠のようなものです」

ふむ、術の行使がでけへん?
純粋に賢者道の人か

「いずれにせよ出立の準備に少々時間が要るでしょうが、私はその時間をプレヴァール街道の近辺の予備調査に充てるつもりです。

 資料を揃えて纏めるにも多少の時間は必要ですのでね。」

ライナスの言葉に軽く頷く

ふうん......資料、ねぇ

老婆心やが......やってみるか
今回は葉巻、あきらめよう

ウチは迅鉄を魔術師ギルドまで先回りさせて待機させ、ウチ自身はちょっぱやで着替えた後、変装してライナスを尾行することにした


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まず、ギルドに天文関係の部署があっ場合、そこでグラーニンに出会ったことがあるかどうか、思い出してみます

いあ@ミル 記憶術 2d6 Dice:2D6[6,1]=7+6 13

それと、不安要素は一つずつつぶしていくということで、ライナスの動向を探っておきます
1.ミルは魔術師ギルドの知り合いに変装
2.ライナスを尾行しつつ、予定外の行動がないかチェック
3.魔術師ギルドでも、資料以外に何か探っていないか観察
4.宿に戻ってから身支度、集合場所へ

変装
18:17:26 いあ@ミル 2d6 Dice:2D6[5,2]=7+5 12

尾行
18:18:10 いあ@ミル 2d6 Dice:2D6[5,5]=10+5 15

ギルド内での観察・追跡
18:21:26 いあ@ミル 2d6 Dice:2D6[5,2]=7+5 12

何もなければ、アクションは起こしません
集合場所へ向かいます

スタッフは押し入れに放り込み、スモールシールド、剣といった剣士風の出で立ちに変わります