ひとまず散会
バルカ(魔音) 2012.06.25 [02:01]
>「ロハならありがたく賜るぞー・・・」
「酒くさい──じゃなかった水くさいですね、マーク。
どうぞ賜りたまへ」
ぐったりと馬の背に身を任せてもごもごと返事をしつつ、乾き気味の
唇を叱咤して、マークと自分への祈りをこめて神聖語を絞り出し、
ヨタヨタとハイタッチを掲げる私だった。
◇
その後の旅程を順調にこなし、無事ローナムに辿り着く。それは、
今回の旅の仲間の解散を意味した。
「お二人の幸運を、いつもお祈りしております」
今更ながら、神官らしい言葉を紡ぎ出す。
クラエスいい奴だなや。私はまた熱いものがこみあげてきそうに
なって、黄緑色の太陽を仰ぎ見る。
初夏の日差しが暖かで、親密な空気はいつまでも留めていたい気が
した。来た時の雨もよいものだったが、晴れた日も気分が良い。けれど、
ちょっと先行っていようかと馬の首をぽぽんとなで、そのしなやかな
手ならぬ足を借りて、先に街を後にする。
◇
アンセルム子爵へは、形式的な報告に終わらず、会見の後に設けて
くれた宴にも無論参加し、色々な配慮への礼と共に、思ったことは
あれこれ伝えておくとする。
エリクセン卿の申し出については、マークと意見が一致したようで、
私の視線も自然、彼の元へと向かう。
とは言え、これはこれで面白そうなものだ。
マルドルとは仕事をした仲だと言っていたし、クラエスにまた手紙を
書く機会をつくって利用させて頂くとするかな。
「それでは、今回のようなことがなきことを祈りつつ、機会があるときは
喜んで馳せ参じます。
閣下におかれましては、くれぐれもご自愛くださいますよう」
新たな弓を作ってくれる職人への紹介状の礼もして、屋敷を辞した。
◇
旅の始めに会った騎士、ヴィーゲルト卿にも、帰還の挨拶と、
今回の仕事のあらましを伝えておく。不在であれば秘書官に手紙を
あらためて渡す。くらいのつもりでいた。
統率のとれたゴブリンは脅威だ。地方領主が手に余ることになれば、
彼らが動かざるを得ない事態もいつの日か来るかもしれない。
◇
二人とは、ミノタウロス亭でまたあらためてうちあげということに
なるだろうか。
今回の仕事は、反省点も多かったが、得るものはそれ以上に大きく、
満足して良いだろうと思う。
ルーイとは勿論、マークともまた仕事をする機会が楽しみだ。
冒険者稼業である以上、それは誰かの身の上に、何らかのトラブルが
発生する。ということになるんだろうが、人間が生きるというのは
そういうものだろうと割り切って、幸運にあやかりやすい状況に
浴することを望む。それは、チャ・ザの神官としても道にもとることは
ないはずだ。
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魔音@バルカより
>公用使便
わぁい。これは楽しそうなので、メモメモです。
暗号文章をやっとの思いで解読したら、なんのことはない、恋文
だったなどという展開を妄想(*'-')
いろいろと書き残しがあるきもしますが、ひとまずっ。
また感想など投下しまするー。