後日談:王都オラン
GM(Lain) 2012.06.22 [23:13]
「皆さんの迅速にして果敢な対処に、感謝せねばなりませんね」
王都オラン、アンセルム子爵邸。
エリクセンからの書状に目を通した子爵が最初に発した言葉だった。
「妖魔の脅威にはしかるべく対応したつもりでおりましたが」
冒険者たちの成功を祝しつつ、だが、子爵の表情は多分に憂いを含んでいる。
「当今頻繁な妖魔の出現、それが意図されたものであるとするならば――」
いや、止しましょう、と子爵は顔を上げた。
「今はあなた方への感謝を。
約束の報酬はこちらに――ああ、無論、エリクセンから受け取ったものはそのままお持ちください。
加えて、武具職人の工房にあなた方を紹介することもできます。
こういった形でしか感謝の意を表せないのはいかがなものかとも思いますが、私はどのような形であれあなた方に感謝したいのです」
ですからご希望があれば何なりと、と子爵は付け加えた。
バルカとマークの希望に頷いて、では早速書状を、と紹介状を書き上げる。
最後にルーイの希望を興味深げに聞いた子爵は、なるほど、と言いながら思案顔だ。
「銀の杖、ですか。
なかなか面白いものをご所望だ」
しばらく考え、ではこれでいかがですか、と条件を提示する。
「ご存知の通り、魔術師の杖は魔術師ギルドで手に入れるもので、職人のみで作りだせるものではありません。
ですが、幸い、導師にひとり知己がおります。
杖を職人に仕立てて貰い、その導師に発動体としての魔化を依頼することとしましょう。
ただ、かれも多忙な身ゆえ、紹介状ひとつでそこまでの無理を聞いて貰うことができません。
あなたの報酬を諦めていただけるのであれば、残りはわたしが負担しましょう」
いかがですか、と子爵はルーイに問う。
どこか愉しげな表情だった。
※ ※ ※
紹介状を書き終え、報酬を手渡した子爵は椅子から立ち上がった。
「さて、」
3人を見回し、言葉を続ける。
「のちの憂いがないではありませんが、人間には愉しみが必要です。
別の間に席を用意させました――よろしければ、食事などしながらいま少しお話を聞かせてはいただけませんか」
扉のところまで歩き、ああそうそう、と振り返る。
「エリクセンがこんなことを言ってきていますが、お心当りは?」
騎士がしたためた報告の書状、最後の一葉。
几帳面な署名のさらに下、余白の部分に、こう書かれている。
『追伸:なお、希望する者には、王都―所領間の信書につき公用使便の便宜を図られたく、お願い申し上げます』
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■GMから
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報酬受領と騎士のお節介でした。
さて、本編のGM書き込みはおそらくこれで終了となります。
長らくの間(といっても予定よりだいぶ短いのですががg)おつかれさまでした!
感想はたぶん週末に書くとおもいます!
>みなさま
報酬については既に提示したものをお持ちくださいませ。
なお、最後のシーンで提示したとおり、希望があれば数日に1回オランと子爵の国許を往復している公用使に手紙を託すことができます。
・本人が子爵邸に持ち込むこと
・送れるものは巻いた羊皮紙以下のサイズのものであること
が条件です。
天候などによっては遅延することもありますが、おおむね安全に届き、中身を見られることもありません。
利用を希望される方は特殊な設定としてキャラクターシートに記載してください。
他のGMが運営するセッションで利用する場合は、事前にGMに許可を得てください。
>たいまんさん
銀の杖については、以下の条件のもとで報酬として取得できます。
・金銭報酬全放棄(=価格1000ガメル)
・武器として使うことができない
・形状は杖(メイジスタッフ)または棒杖(ワンド)
・ほか、発動体の制限に従う
こんなところでいかがでしょうか!