勝利の宴

ルーイ(たいまん) 2012.06.18 [12:01]

 

手だけが、温かかった。

 

遠くで、声がする。

 

「―――ジゼル?」

 

目を開けると、すぐ近くに、ジゼルの睫毛が見えた。

 

「睫毛、長いんだね」

 

ぼんやりと、指を伸ばして、触れ―――

 

 

「っ、ご、ごめん」

 

何してんだオレ。
現状に気付いて、慌てて起き上がる。

そうだよ、村まで戻って来たのは覚えてるんだけど、そのあとどうしたんだオレ。


ゴブリンシャーマンが目を覚ました、とジゼルが教えてくれた。


「ああそっか、それまで寝かせててくれたんだ。
 皆に迷惑かけちゃったな。

 うん、すぐ行く。
 ありがと、ジゼル。

 はは、もう大丈夫だよ。
 おかげで、ずいぶんすっきりしたから」

 

気恥ずかしさもあって、そそくさと、オレは部屋を出た。

 

* * *

 

ぐったり。

 

ああ、ぐったりだ。

 

マークさんの言うとおり、随分粘られた。

人間に対する憎悪なのか、王様に対する忠誠心なのか。

 

「根は深そうだなあ」


子爵に恨みでもあるやつか、たまたまこの辺にいた悪党か。
どっちにしろ、ゴブリンの集団を操れるだけのやつが黒幕ってことだ。

必要なら、また声がかかるだろう。
こういうでかい案件は、むしろ騎士団が解決できた方がいいもんな。
威信とかもあるだろうし。

ああもう気分悪い。

 

「ちょっと顔洗ってきます」

 

水の無駄遣いはよくないけど、顔洗うくらい許してもらおう。

 

 

* * *

 

エリクセンさんが到着したのは、10日後。
もうすっかり、気分も晴れた。
ライトに乗って、山駆けも少し練習してみた。
2,3回落ちて死にそうになった。
やまこわいやまこわい。


先発隊が全滅したのを察したんだろう、本隊は現れなかった。
追撃するべきだったかなとも思うけど、やっぱり数の差はなんともね。
10もヒヤヒヤしたけど、20はもっと怖い。
質も違いそうだしな。


「ありがとうございます」


金貨を受け取って。
出立を見送った。

 

* * *

 

その晩は、宴会が開かれた。
やっと襲来に怯える日々から解放されたんだ。
そりゃあ、うれしいよな。

任務を解かれたクラエスさんは早速ナンパしてる。
そういうキャラだったのか・・・

 

焚火を囲みながら、お酒をちびちびと飲みながら、今回のことを振り返る。


「ホント、日が暮れるまでにゴブリンに会えなかったらどうしようかと思ったよ。
 橋が危ないっていうのは、分かってたはずなのにさ」


正直なところだ。
もし、橋の方から巡って行ったら。
本隊の尻尾くらいは掴めてたかもしれない。

 

「今回、色々考えたことは、きっと、今後の役に立つよ。
 ジゼルも、クラエスさんも。オレだってそうだ。」


鹿の肉を頬張りながら。
にくうめえ。

肉は好きなんだけど、筋肉にはならないんだよなあ。
どういうことなの。

 

「ねぇジゼル。
 ジゼルが頑張ってるって思ったから、オレも頑張れたんだ。
 ありがと」

 

そう言って、オレはてれ隠しに笑った。

 

 

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PLより:

ヒャッハー、宴会だあ!

きょ、今日はこの辺で勘弁してやるぜぇ。
あんまりやりすぎるとジゼルを連れてそのまま以下略になりそうなので自重。

 

経験点1200点、報酬1000ガメル、頂戴いたします!
1ゾロ1回分つけてもいいですか?|'')

高品質武具はいりません(どーん

 

感想なんかはひととおり終わってから!
まだ終わってないし!

とにかく、とても楽しかったです。
シナリオ自体もそうですし、悪根さんも魔音さんも非常にやりやすくて楽しかった!