吸って吐くだけが空気ではないのだ
マーク(悪根) 2012.06.17 [15:37]
「思ったより粘られたなぁ。」
事切れたそれを前に長い溜息を一つ。
緊張と疲れが少しだけ抜けていく気がした。
「ちょっとばかし見くびってたよ。」
(通訳越しだが)妖魔と会話(?)するのは初めての体験。
もうちょいあっさりゲロると思っていた。
「一先ずはお疲れさん、だ。」
ルーイとバルカの肩を1度ずつ軽く叩く。
サバサバと。ほぼ素だが、少しだけ意図的に。
「じゃあ、俺はこいつを埋めてくるかな。クラエスとジゼルへ報告を頼む。
伝令を出して貰わないといけないし。報告書に纏めた方がいいかな。」
別働隊が全滅した事は既に敵本隊の知る所となっただろうか。
だとすれば、軽々にはこちらに手を出せないはずではあるが。
「今、カルナを空けるのはちょいとリスキーだ。
廃寺の方は騎士団に任せるのがいいんじゃないか。」
それまではカルナの防衛だ。
もうしばらくは油断大敵の精神で。
※※※※※
>――せいぜい人間同士で喰い合うがいい。
最後の土をかけ終わった時、
その捨て台詞が脳内にリフレインする。
「別にお前が呪わなくたってね。」
大なり小なり人は争って生きていくのだ。
まぁ、こればかりはやめる事が出来ないんだろう。
それこそ何百、何千年経とうとも。
「それでも滅びるまでは行かない気がするんだよな。」
この世界がある限りは。
楽観だろうか?
※※※※※
本隊が到着するまでの10日間は何事も起こらなかった。
橋も定期的に見回るなど、それなりに気を張る日々ではあったが。
>「偵察のみならず討伐まで成し遂げ、村の危機を救ってくれるとは
> まったく礼の言いようもない。
> ないが、『礼の言いようもない』で済ませられる話でもないのでな」
「あの時に討伐しなければ我々も危なかったですしね。
ともあれ、お役に立てたようで何よりです。」
事実、橋が落ちていれば敵本隊がカルナを襲撃した可能性は高かった。
結構な数の妖魔を相手にカルナを守るのは難しかったんじゃなかろうか。
>「我らはこれからディマスへ向かい、先発隊と合流して山に入る。
> ゆえに貴公らとはここでお別れだ――ああ、わが主、子爵にはこれを手渡してほしい」
「承りました。・・・ご武運を。」
あの廃砦でも一人も欠けずに戦い抜いた騎士団だ。
ほどなく新たな朗報が届けられる事だろう。
クラエスとジゼルもローナムまでは一緒だ。
実際に守る側の立場として村で過ごした経験は
騎士としての精神を育むものだったろうと思う。
>「出立は明朝。
> 伝令と村の守備の任、ご苦労だった。ただいまをもって任を解く」
「とどのつまりは・・・今晩は好きにしろとのお達しですよ。」
エリクソン氏が離れた後、そう言って笑った。
※※※※※
「私は妖魔の集団を相手にするのはこれで3度目ですけどね。」
酒入りの杯を片手に、眼前の村人に語りかける。
クラエスと同じく村人の輪に加わったところ話をせがまれたのだ。
「決め手になったのはいずれも魔法でした。私もよくよく運がいい。
ルーンマスターの仲間に毎回、恵まれていたわけですから。」
杯に一度口を付け、
「皆さんの中には魔法に対する恐れと言うか、
得体の知れなさを感じる人もいるかもしれません。
しかし、言ってしまえばあれはこいつと同じ。」
自分の腰に差した鈍器を軽く叩く。
「何事も使う人次第って事です。敵に使われればそりゃぁ恐ろしい。
でも味方が使う分にはこれ程頼りになるものもありませんよ。」
PLより----------------------------------------------
一先ずはお疲れ様でしたー!
非常にテンポよくサクサク進んだので
一ヶ月が更に短かった感覚です。
日記は子爵への報告までお付き合いさせて頂きますよ。
感想等はその後で纏めて。
ジゼルんへの対応はクラエスと同じく丸投げだ!喰らえぃっ!
また、経験点1200と報酬1000Gを確かに頂戴致します。
武具については銀の矢を1ダース購入させて頂こうかと。