オランの春

GM(Lain) 2011.04.09 [23:44]

 アンセルムからオランまでは、およそ2週間の道程だ。

 出立から一月ほど。
 帰り着いたオランでは、そこかしこに春の気配が見て取れる。

 オラン市中の一等地にあるベルトーニ家の邸宅にも、春は訪れているようだ。

 門衛に来意を告げれば、待たされたのちに邸内へ案内されることだろう。
 花の香りの漂う広い前庭を抜け、これもまた呆れるほど広い邸内を通り、中庭に面した客間に通され。

 茶菓を供して書状を受け取り、さらに一通りの説明を聞いたあとで、ベルトーニ辺境伯は言った。

「成程、子爵があなたがたを信任するわけだ。
 次は是非、私にもご助力を願いたいものだな」

「子爵ご本人はオランにはおられぬのだな。
 であれば、子爵の御家中にお伝えいただけないだろうか?
 アレッサンドロ・ベルトーニは、此度の書状に感謝している、と」

 アンセルム子爵のオラン別邸、まさに一月前に冒険者たちが依頼を引き受けたその屋敷の庭にも、ぽつりぽつりと花が咲いている。

 用件を告げ、書状の封蝋を見せれば邸内に招じ入れられる。
 出迎えた家宰に書状を手渡すと、家宰は内容を一読し、紹介状を用意する、と告げた。

「職人にもあまり無理は言えませんので、何通でも、というわけには参りませんが」

 そう断りながらではあるが、紹介状をしたためてくれる。

「武具を扱う工房の親方に宛てて、あなたがたに武具を誂えるよう依頼する書状です。
 お望みの工房をお選びください」

 品質のよい武器や防具の工房のほか、銀を武具に加工する工房もあるという。
 書状を持参した者に合わせて、武具を作り上げてくれるだろうとのことだ。

 諸々を済ませて戻った『ジョージの角なしミノタウロス亭』。
 店主のジョージは、夕食の仕込みに余念がない。

「おう、戻ったか。いやいや、無事で何より何より。
 なに?・・・・・・手紙?うち宛てに?」

 一読するや破顔して。

「随分と気に入られたみたいじゃねえか、ええ?」

「一両日中にまた新しい依頼だ。
 まあ受けるにしろ受けねえにしろせっかく帰ってきたんだ――」

「祝いのひとつも、やるんだろ?」

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■GMから

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 おつかれさまでした!
 少々長引きましたが、本シナリオはこれにて〆であります。

 いましばらくはアカウントを有効としておきますので、〆レスなりご感想なりいただければと思います。


◆事務的なこと

 経験点と報酬を次のとおり配布いたします。

 ●経験点

  アウロラ:1500点
  リャッテ:1500点
  ゼーレン:1500点
  チルグラ:1000点
  イドーラ:500点


 ●報酬

  各自に750ガメル+高品質武具等の購入権(後述)

  ・高品質武具等の購入権について

   高品質3までの武器
   高品質3までの防具
   銀製武器
   銀製防具

   上記いずれか1カテゴリを作成できる職人への紹介状をPCごとに1通。
   カテゴリ内での購入数は2点まで。
   購入権はこのシナリオ内でのみ有効。譲渡不可。
   銀製の矢または太矢は1ダース50ガメル、2ダースまで購入可。

  購入するものは本編またはPL相談所に明記すること。


 以上をもって各参加者をシナリオから解放いたします。
 長々とお付き合い、ありがとうございました!