暮れゆく森にて

GM(Lain) 2012.06.04 [08:18]

 一息入れる間もなく、行軍は続く。

 南西へ。
 シルヤ川近く、もっとも南の洞窟へ。

 目的地ははっきりしており、足跡も見失うようなものではない。
 迷いようのない道である。

 日没にはまだ猶予があるが、フラナリー街道沿いの地域の、その西側にはエストン山脈が聳えている。
 夕陽は一足はやく、山陰に隠れた。

 とはいえ空はまだ明るい。
 徐々に空の色は変化し、エストンの主稜がくろぐろとした影絵のように、茜色の空に浮かび上がる。

 これから1刻か1刻半か、そのような時間をかけて、影はさらに濃さを増し、新緑と花の色彩を覆い隠してゆくことだろう。

 その頃には冒険者たちも、今宵の宿に辿り着ける筈だ――この追跡行が成功裡に終わりさえすれば。

※ ※ ※

 1刻弱の行軍を経て到着したそこは、またももぬけの殻だった。

 だが、これまでの洞窟とは明らかに様相が異なる。

 寝床の数。
 焚き火の跡の数。
 食滓の量。

 すべて、これまでの洞窟よりも格段に多く、そして新しい。

 そして、真新しく、くっきりとした足跡の群れが、南東へ向かっている。

 始末されたものと思しき焚き火の跡は、土をかけられているものの、まだくすぶり、熱を持っている。

 火を消されてからはおそらく、半刻と経過してはいまい。

 刻々と変化する西の空の色が、日没までの時は残り少ないと告げている。

 更に追うか。
 留まって情報を収集するか。
 一旦村へ戻るか。

 ――次に打つべき手はなにか。

 迫るものは夕暮れだけではない。
 決断すべき時もまた――。

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■GMから

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>みなさま

 ポイントFもお留守であります。

 ざっと見て、

 ・おそらく今日、ここで妖魔が野営していたらしい
 ・ここに来た妖魔の主力は南東へ向かったらしい
 ・妖魔がここを離れてから半刻以内と思われる

 このくらいが判明しています。


 ここで追加の判定や情報はありません――正確には、「時間を消費しない追加の判定や情報はありません」。

 というわけで次の行動を決めてくださいませ!

 大まかに、

 ・現状もっともはっきりと見えている足跡の群れを追う
 ・ポイントF周辺で判定を伴う情報収集を行う
 ・ポイントD、Eまたはその他の場所へ移動する

 このくらいを想定しております。