カルナにて

GM(Lain) 2012.05.19 [21:39]

> 「これで次からは大丈夫そうですね。」

 マークのかけた言葉に、はいもう大丈夫です、と頷く。
 もとより落ちるような橋でもない。
 自信さえ付いてしまえば、どうということもないだろう。

※ ※ ※

 シルヤ川を渡ったのち、一行はそのままカルナへ向かった。

 徒歩であれば1刻半、騎乗の常歩で1刻ほどの行程だ――速歩ならば半刻、駈歩であれば四半刻強といったところだろう。

 夕暮れに差し掛かるころにはカルナの木戸をくぐり、村へ入ることができる。

 山間の小さな村で、村人たちは忙しく立ち働いている。
 夕餉の支度をする者、農具を片付ける者、家畜たちを囲いに追い込む者。
 みな、騎乗の一団に気付くと手を止め、どこへゆくのかと見守っているようだ。
 ある者は不安げに、ある者は頼もしげに、といった違いはあるにせよ、

 村の中央を流れるテナ川は、水量こそそれなりにあるものの、流れの急さ加減からみて渡渉不能というほどでもなさそうだ。

 手近な村人に問えば、渡れないほどでもねえですが、との返事が返ってくるだろう。
 橋があるのになんでわざわざ、という表情ではある。

※ ※ ※

 村に入った一行を、村人と村長は歓迎した。

「イェステルと申します――遠路をよく来てくださいました。
 先ごろこの先のディマスへ向かわれた方々から、よろしく協力するようとの書状をお預かりしております」

 まずは、と厩へ案内され、その後は家に招じ入れられて食事を供される。
 小さな村のことゆえ豪華なものとはいかないが、新鮮な食材を使った暖かい食事は数日ぶりだ。

 ライ麦の入った黒パンに肉と山菜・根菜の入ったスープ。
 山で狩ったものだという猪の肉のスープはほどよく身体を温めてくれる。

 質素な食事があらかた済んだ頃、さて、とイェステルは話を切り出した。

「妖魔どもを見たという話についてですが――」

 地図を見せられれば、ふむふむと頷きながら地図上に指を走らせる。

「シルヤ川の手前から、あとはディマスの方へ至る街道のあちこちで出ています。
 この村の近くでは、見たという話はほとんど聞きません」

 村そのものの襲撃は、妖魔にとっても危険が高い。
 群れから離れた獲物を狙う、というのは野生動物の狩りにおいても鉄則のようなものだ。

「ですから、狩人たちにもひとりで山へは入るな、というのは徹底しております。
 特に川の上流側、エストンの奥の方へは行くな、と」

 ローナムでもちらりと聞いた話ではあるが、フラナリー街道よりも主稜側の目撃例が際立って多いのだという。

「目撃の報は主に、狩人や牧童、街道をゆく旅商人からもたらされています」

 近づかぬうちに見かけ、そのまま人間の方が逃げてしまうことが多いのだという。

「ですから、妖魔、という以上の情報はなかなか・・・・・・」

 数は単独から2・3匹程度。

「大きな群れということでもなく、出会い頭に鉢合わせて怪我人や死人が出るということでもなく、まあ今のところはそのような状況ですな」

 しかしこれだけ頻々と遭遇するとなるとやはり影響は避けられないものです、とイェステルは嘆息した。

 狩人も牧童も、村の外へ出られないでは商売にならない。
 旅商人もフラナリー街道を敬遠してしまい、このところめっきり数が減っているのだという。

「方々、どうぞよろしくおねがいいたします」

 村人の暮らし向きを慮らずにはいられない村長の、それは本心であるのだろう。

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■GMから

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 おそくなりましたすみません!
 ジゼルが人気なようでよかったです^^


>みなさま

◆時間単位

 1刻2時間 で換算してやってください。

 半刻=1時間
 四半刻=30分
 小半刻=15分

 です。


◆所要時間など

 シルヤ川の吊橋からカルナまでは、

 徒歩:1刻半(=3時間)
 常歩(ウォーク):1刻(=2時間)
 速歩(トロット):半刻(=1時間)
 駈歩(キャンター):四半刻強(=40分くらい)

 だいたいこんなかんじです。

 常歩:判定不要、休息不要。徒歩の1.5倍の速度。
 速歩:要判定、休息不要。常歩の2倍の速度。
 駈歩:要判定、要休息。速歩の1.5倍の速度。

 このセッションではそれぞれこんなメリット/デメリットがあります。

 実際にはこの上に襲歩(ギャロップ)があるのですが、突撃とかするときの短距離走用ということでひとつ。


◆目撃された妖魔

 ゴブっぽいもの、程度でそれ以上の情報は得られません
 だいたい遠目に見てそのまま逃げちゃう感じなのでじっくり観察しない、できないということのようです。


◆目撃地点

 地図上のシルヤ川吊橋付近から北のフラナリー街道北西側でほぼ均等に目撃情報が出ているようです
 目撃情報のある範囲では、どこかが際立って多いということはありません。
 通る人の数の関係から街道沿いが多いようですが、分布としてはだいたい均等にバラけているようだ、とご理解くださいませ。

 ただし、カルナから街道沿いに徒歩30分くらいの圏内では目撃情報がありません


◆各地点間の距離・所要時間

 カルナ ― B、C、E
 A   ― B、C
 B   ― カルナ、A、C
 C   ― カルナ、A、B、E
 D   ― E、F
 E   ― カルナ、C、D、F
 F   ― D、E

 これらすべて、徒歩でざっくりと1刻かかる、とします。
 足跡を探したり、周辺を捜索しながら(つまりは警戒しながら)進むのであればその倍としましょう。
 こういった索敵・警戒行動は、ゲーム的には道中の不意討ちの可能性に大きく影響します
(仮にゴブが洞窟にいた場合、移動中の警戒行動は不意討ちの可能性に影響しません――PC側が明示的にヒャッハーしない限り、敵の拠点と想定される場所の近くでは相応に警戒しているものと見なします)


◆というわけで

 明朝以降の行動について決めてくださいませ

 GMが必要とする情報は、

 ・どこへ向かうか
 ・森の中へ入るのであれば進み方をどうするか(=警戒するか否か)

 です。

 もちろん、朝になってから聞き込みをするなりジゼルやクラエスときゃっきゃうふふするなりでも構いません!


>たいまんさん

 女子力が高くてかつ有能そうなひとってなかなか難しいですよね。
 ジゼルはいざというときにはできる子。きっとそう。


>悪根さん

 なんかスイッチが入ると兵士モードに切り替わるみたいな。