子爵の返答

GM(Lain) 2012.05.11 [20:07]

> 「妖魔の目撃ポイントをひととおり地図上にチェックしたいですね。
>  そこから推測出来ることもあると思うんです。

 なるほど尤もです、とフリクセルは頷いた。

「しかし、詳しくどこ、という情報はここには届いておりません。
 フラナリー街道の入口、ローナムにてより詳しくお伝えできましょう。
 聞いているところでは――」

 ふたたび地図の上に指を滑らせた。

「この村、カルナ近縁からディマスの先、フリーダー川のあたりまで。
 その区間での目撃例が明らかに増加している様子です。
 目撃されているのはゴブリンですが――」

 なにぶん遠目のことゆえ、さほど詳しくはわからないのです。
 上級妖魔がいる可能性も否定できない、フリクセルは己の懸念をそのように語った。

>  出現範囲が広いってことは、妖魔の王国でも出来たのかな。

> 「2倍のゴブリンたちとの遭遇というのは、想定する2倍、あるいは数倍の
>  本隊が控えていると覚悟しておいて良いかもしれませんね」

「そういった可能性を憂慮しているのです」

 ルーイとバルカの言葉に、意を得たり、といった様子で子爵は首肯した。

 ルーイがジョージに語ったように、妖魔――ことに下級妖魔において恐るべきはその数だ。
 かれらは各々が熊のように強くはなく、頑健でもない。

 が、妖魔どもは群れる。
 武器を使いこなす知恵をもち、しかるべく指揮されれば数の力で人を圧倒しうる。

 王国――大きな群れの出現は、地方領主にとっては脅威そのものだ。

>  実害がまだないんですよね?
>  それも気になるところです。
>  食糧を求めて現れてるわけでもないってことでしょう。

> 「こう申し上げるのも憚られるところですが、目撃情報の多さの割に、
>  被害がないというのがかえって不気味だと思います。

「そのとおりです。
 数が多ければ必要になる食糧の量も増える。
 ゆえに、村が襲われる危険も、ということなのですが――」

 不思議と村落への襲撃の報はないのだという。

「不自然と言えば不自然ではあります。しかし、」

 襲撃がなければそれに越したことはない。
 それが領主としての彼の本音なのだろう。

> 「ゴブリンたちが何をしていたか? というほどの報告もないということ
> ですか?」

「ありません」

 バルカの問いには、端的な答えが返ってきた。

>  そこで、可能な限り現地の情報を事前に聞いておきたいと思ってます。
>  また、土地に詳しい方々の話を聞ける機会があれば、紹介をして下さると
>  ありがたいです」

「それについては、やはり現地に近い場所で聞かれるのがよいでしょう。
 フラナリー街道の入口にあたる、ローナムという街で、ある程度の情報と便宜を得られるよう、手配をしてあります」

※ ※ ※

> 「調査期間ですが、期日は如何程をお考えでしょうか。」

「出没頻度の高い地域をくまなく調査するのであれば、現地で1週間から10日程度は考えた方がよいでしょう。
 無論、それよりも早く棲家を特定できるのであればそれに越したことはありませんが」

> 「以前にも妖魔の討伐等は行われていたと思います。
>  その時に妖魔が使用してた巣で、まだ再利用可能な場所があれば
>  知りたいのですが...情報は残ってますでしょうか。」

「そのような場所は、いくつかあるやに聞いております。
 今回の一件の規模に見合うかどうかは解りませんが――」

 いずれにせよ手許にはそこまで詳しい情報はないゆえ、ローナムで、ということのようだ。

> 「地図の写しを取って構いませんか。」

「これをそのままお持ちください。
 ローナムにはカルナ近辺の地図もありましょうから、それも受け取れるよう手配しましょう」

 マークの質問に、フリクセルは面倒がる様子もなく答えてゆく。
 むしろ疑問点を質そうとする姿勢を好ましいとすら思っている様子だ――少なくとも、そのような態度を、かれは取っている。

> 「以前の依頼(霧の砦)にて、砦にいた敵兵士について何か判明していますでしょうか。」

 その問いに、ちらりと表情を曇らせた。

「いまだ詳しくは――しかし、」

 判明したことはいくつかあるのだという。

 フラナリー街道沿いで彼らが活動していた形跡がほぼ全くないこと。
 砦に大量の糧食その他の消耗品が備蓄されていたこと。
 用いられていた武器はいずれも、通常の水準を満たすものであったこと。

「――いま私から申し上げられることは、ここまでです」

 ただの山賊の類ではない、より組織的で大きななにかの存在。
 それを窺わせるものであるがゆえ、軽々に口にできぬということなのだろう。

「いずれまた何か、お願いすることがあるやもしれませんね」

 そうならねばよいのですが、と付け加えた表情はしかし、ある種の確信に満ちていた。

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■GMから

>たいまんさん

 目撃ポイントについてはフリクセルが語ったとおりです。
 結構広い。

 妖魔の種類はゴブ、ということらしいです。
 でも上位種いるんじゃね?みたいな。


>悪根さん

 見事な要約だ・・・。

 質問については上述のとおりです。
 ぜんぶ拾えていますでしょうか。

 魔晶石については、買って他人に渡しておくなども自由にしていただいて結構です。
 シナリオを超えて渡しっぱなしだと少々問題がありますので、使われなかった場合は返してもらってください。

 まあこのあたりは厳密なルールがどうこうというよりも、わかりやすさの問題ですね!


>魔音さん

 フリクセルのいう「騎士」は彼の手持ちの騎士であり、国王直属の騎士団(車輪の騎士団)ではありませんすみません。
 車輪の騎士団の騎士に会って話を聞くことは可能ですが、おそらく現状提示されている以上の情報は手に入らないでしょう。

 フリクセルがフリクセル本人の裁量で動かせるのは、彼自身の部下に限られます。
 ゆえに、車輪の騎士団の騎士に話を聞けたとして、現地の領主以上の情報は持っていない、と推察できて結構です。

 ただ、自身の裁量を超えるような大規模な妖魔集団が動いている、となれば、車輪の騎士団の出動を要請する、ということになるかもしれませんね。
 現状そこまでは事態が深刻化していない、というのがフリクセルの見立てのようです。


>みなさま

 次のレスでローナムへ駒を進める予定であります。
 フリクセル本人への質問などあれば今のうちにどうぞー。