ゴブ解けの季節

バルカ(魔音) 2012.05.11 [01:45]

 雨。武具の手入れに気をつかうということに目をつむれば、この匂いが
私は嫌いではない。全てを包み込む雨音を聞いていると、自分という存在の
境界が溶け、世界に繋がった気になれる。そして、雨が流し去ったあとの
世界では、暫くの間とはいえ、まだ自分にはなにかしら出来ることがある
という可能性を感じられる。
 それがたとえ、刹那の幻であるとしても。

    ◇

 ジョージの持ってきてくれた依頼は、例年より多いゴブリンたちとの
遭遇事件に端を発していた。彼らの拠点を見つけ、報告する。というもの
だった。場合によっては交戦もあり得るのだろう。
 私は、二つ返事で話を引き受けた。少人数での偵察行動とは、いかにも
我々冒険者向きの話だ。

    ◆

「バルカです。神官として経験を積みつつあります。傭兵あがりなので、
多少の荒事にも対応できるかと。もっとも、私の矛よりは、盾の方が
頼りになると思いますが」
 簡単な自己紹介をしておく。

「マークさんには改めて、初めまして」
 知性の宿る目が、印象的な戦士だと思った。やや年上か。その年齢以上の
経験を積んでいそうだった。事実、彼は依頼人とは既知の仲であるらしい。
「まぁ、あまり急がなくても、呼び名はきっとついてきますよ。
 それは私自身への希望でもあるんですけどね。ま、可能性を名前でくくる
段階になければ、その雲のような状況を一緒に楽しみましょうか」

「年下の兄貴といった風格ですね、ルーイ。こちらも話は聞いてましたので、
なんだか初対面という気がしません。銀月としての仕事の前に、組めるのも
何かの縁です。どうぞよろしく」
 彼は早くも賢者の片鱗を見せている。優れた才能を間近で見られると
いうのは、この仕事をしていてよかったと思えることだ。

「マルドルの男前っぷりには同意します。我々が束になっても適いそうに
ない。そして同時にいい女でもある。そういうかっこよさとの出会いには、
幸運を感じずには居られないですね。彼女が時折見せる隙にも、ね」
 ルーイを誘ったマルドルの話を想像して、我知らず微笑みを浮かべる
私だった。

   ◆◇◆

 数は力だ。話に聞く氷山とやらも、海面に浮かぶ大きさの、数倍の
体積を持つと聞く。
「2倍のゴブリンたちとの遭遇というのは、想定する2倍、あるいは数倍の
本隊が控えていると覚悟しておいて良いかもしれませんね」
 セレンソン氏に名乗った後、私は感想を口にする。

「ルーイの言う通り、地図で確認の上、マークの指摘する通り、偵察の
ポイントを絞るべきでしょうね」
 私は、彼らの意見に頷き、言葉を継いだ。
「ゴブリンたちが何をしていたか? というほどの報告もないということ
ですか?」
 依頼人に質問をしたが、期待はしていない。現地に行けば、新たな情報が
上がっている可能性はあるけれど。
「こう申し上げるのも憚られるところですが、目撃情報の多さの割に、
被害がないというのがかえって不気味だと思います。そこで、可能な
限り現地の情報を事前に聞いておきたいと思ってます。
 また、土地に詳しい方々の話を聞ける機会があれば、紹介をして下さると
ありがたいです」

    ◇

 現場の話。と自分で口にしたところで、少し前の仕事で知り合った、
騎士ヴィーゲルト卿のことを思い浮かべる。
 知り合いと言っても、ちょっとすれ違った程度の仲だが、時間の
許す限りは、あたっておく価値があるかもしれない。
 もし機会があれば、聞ける範囲で該当地域、およびその近辺での
騎士たちの出動状況や噂話を聞いておきたいところだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
PLより
 依頼受けますぞー&自己紹介でっす (*' へ' *)∩
 だいたいのところは二人が言って下さっているので、あとは実際の
目撃談を聞くことができたらなぁです。特に、現地の土地勘があるひと
たちの話は貴重かとー。
 というわけで、具体的な目撃談。土地に詳しい狩人たちの話を聞く
ことができる場所。を聞いておきます。

 あと、可能であれば騎士に話を聞いておきたい。というのは、
超バスターで知り合った車輪の騎士の一員ヴィリ・ヴィーゲルト氏の
ことです。まー、騎士団の動向を聞けたら最高なんですが、騎士
たちがどの程度このゴブリン騒動に対応していくのかなぁという
雰囲気くらいは触れたら。と思ってます。