等価交換
GM(Lain) 2011.04.06 [21:40]
> 「さよーならー」
リャッテにこたえて、見送る村人が手を振った。
これから山へ入るという炭焼職人。
晴れ間を見つけて遊んでいる小さな子供たち。
害はなかったとはいえ、妖魔が近くに出ると聞いて、不安に思っていたのだろう。
だが、いまはどの顔も晴れやかだ。
これもまた、冒険者たちのなしたことのひとつ。
※
> 「子爵様、あれから、お加減は、いかが、です、か・・・?」
「気遣いをありがとうございます」
フリクセルは微笑んで答える。
「冬の旅は少々身に堪えましたが、今は落ち着いています。
こちらの方がオランよりもだいぶ寒いのですがね。
故郷というのはそういうものなのかもしれませんが」
※
フリクセルは、ゼーレンの報告を頷きつつ聞く。
最後まで聞き終えて、いま一度深く頷いた。
「詳しいお話を、ありがとうございます。
おかげでおおよそのところは掴むことができました。
砦の一件、たしかに今回の依頼とは関わりがないようですが――」
> なんだったらアレですよ。スルーしてきた砦を調べるお仕事もしますから、また呼んでください!」
リャッテの言葉に、にこりと笑って頷く。
「調べてみる必要があるかもしれませんね」
穏やかな表情は変わらないが、眼差しは真剣だ。
なにかを考えている様子でもある。
> もしよろしければ、紹介していただくことはできませんでしょうか?
> 職人の方に新しい客を紹介したとなれば、子爵様の人望も上がるというもの。
> おまけに職人の方も儲けられる。よい話ではないでしょうか」
ゼーレンの言葉を聞いていたフリクセルは、聞き終えて笑い出した。
「いや、失礼、冒険者であるだけでなく商いを心得ておられる。
頼もしい。まことに頼もしい」
楽しげにそう言いながら、羊皮紙に手早くなにかを書き付けてゆく。
一通。二通。
三通目を書き終えて、ふたたび冒険者たちに視線を戻した。
「では、ひとつ頼みごとがあります。
皆さんが王都へ戻る折に、手紙を届けてほしいのです。この三通を」
「一通はわがオラン別邸へ。
一通は『ジョージの角なしミノタウロス亭』へ。
一通はベルトーニ辺境伯の邸宅へ」
「お引き受けいただけるのであれば、職人への書状を添えましょう」
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■GMから
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手紙の配達を引き受けていただければざーっとダイジェストしてシナリオを〆ます。
あ、ベルトーニ辺境伯というのはこの方です。