街へ、ふたたび

GM(Lain) 2011.04.03 [23:15]

 倒れている妖魔の残党を始末するには、さして時間もかからない。
 動かぬ相手に止めを刺していくだけだ。

 洞窟の外へ運んで止めを刺すならば少々手間がかかるかもしれない。
 だが、それもさほどの手間にはならないだろう――たとえ男手のみでそれをするにしても。

 洞窟を探しても、金目のものは見当たらない。
 ゴブリンどもにとって使えそうなものは使われて汚れている。
 彼らにとって役立たないものは打ち捨てられて壊れている。
 中にはまだ使えるもの、売り物になるものもないではないだろうが、それらを選り分けて運び出すには時間と人手が必要だ。

 諸々の始末をつけたあと、冒険者たちはふたたび人里へ向かう。
 シリルを経由してか、はたまた直接向かうか、いずれにせよ、目的地はアンセルムになるだろう。

 アンセルムの中心街、子爵の居館へ出向き、用件を告げれば、一行は子爵の待つ部屋へ通される。
 冷気を避けるためか、絨毯の敷き込まれた部屋で、フリクセルは一行を迎えた。

 自ら立って椅子を勧め、全員が腰を落ち着けたのを見計らって彼は言った。

「取次ぎの者からお話は伺いました。
 無事依頼を遂行していただいたとのこと、感謝します」

「約束の報酬はこちらに。
 聞くところによれば、呪術師が率いる集団であったとか。
 あなたたちの働きに見合うかどうか、報酬は額を増してあります」

 お確かめください、と頷けば、控えていた使用人が金貨の入った袋をめいめいの前に置く。
 中には金貨が15枚ずつ入っている。

「妖魔が出るという噂が広まって、商人の行き来が少々減っておりました。
 退治されたとあれば、商人も品物も、また元のように活発に行きかうことになりましょう」

「この近辺の治安をあずかる者として、あなたがたのような冒険者の協力を得られたことは、まことに喜ばしい。
 いま一度、お礼を申し上げたく思います。ありがとうございました」

「さて、お願いした件はこれで無事落着しました。
 ああ、あなたがたはシリルから山へ入られたということですが、よろしければあちらの様子もお聞かせ願えますか」

-------------------------------------------------------
■GMから

 この記事への返信は、「150_アンセルム」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。

 諸々の後始末を終えてアンセルムへ移動し、報酬を受け取りました。

 報告の内容についてはひとまず依頼された件のみ報告した、としてあります。
 ほかに報告することや補足、その他やりたいことがありましたらここでどうぞ。

 あと1レスか2レス程度で本編を〆る予定でおります。

 進行期限はひとまず6日20時とさせていただきますね。