名探偵かく語りき

GM(Lain) 2011.02.11 [01:23]

 冒険の心得のないものには危険な雪の斜面も、ゼーレンであれば適度な足がかりを見つけるのにさほどの苦労を要しない。
 念のために、と垂らしたロープに頼ることもなく、するすると河原へ降り立った。

 妖魔の屍骸へ近づき、岸へ引き上げ、手早く検分する。

 まず目につくのは、身体に刺さった矢だ。
 右の二の腕と腹に1本ずつ。腕はともかく、腹の矢傷は相当な重傷だ。

 さらに肋骨も何本か折れており、身体に満遍なく擦り傷ができている。
 肋骨を折った傷は武器によるものではなく、どこかから転落した際に地面に叩きつけられた跡だろう。

 仔細に見れば、擦り傷は絶命したあとに付いたものとわかる。
 水に落ちたあと、それなりの距離を流され、その間に岸や川底に擦られた、ということだ。

 致命傷になったのは腹の矢傷か、肋骨を折った打撲傷か、それは判然としない。

 屍骸はそう古いものでないことは確かだが、いつ死んだのか、明確にはわからない。
 氷のような水に浸かったままならば、腐敗が進むようなこともない。魚もこの時期はほぼ活動しない。
 食い荒らされていない屍骸が、新しいとは限らないのだ。

 矢を引き抜いてみれば、矢尻には大きな返しがついている。
 それは、獣を狩るためのものではなく――手を使って矢を抜きうる相手へ放つための矢だ。

 ゼーレンに続いて、チルグラとイドーラが河原に降りた。

 屍骸と、そして周囲の状況を観察する。
 見る限り足跡はなく、争ったような痕跡もない。
 斜面を上り下りした跡も見つからない。

 この屍骸は、おそらく、上流から流れてきたものだろう。
 たまたまこの浅瀬に引っかかり、一行に発見された――そう考えるのが自然であるように思われた。

 妖魔の屍骸へ注意を向ける3人。
 アウロラは、その周囲へ注意を向ける。

 仲間たちと、時折風に揺れる梢のほかに、動くものは見当たらない。
 谷川の流れる音のほかに、聞こえるものはない。

 雪の森は静かなままだ。

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■GMから

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 なんかもう6ゾロとか11とかいきなり絶好調ですねみなさん!

 そのようなわけで、ゴブの死体および周辺状況の調査結果です。
 屍骸と周辺状況について、このあたりも知りたい!というのがあれば質問をどうぞ。

 知りたいことがなくなったら、屍骸の処遇を決めてください。
 その後、特に行き先のご希望がなければシリルへ移動することにしましょう。