ふたつの道

GM(Lain) 2011.02.05 [02:04]

「ありがとうございます」

 冒険者たちの返答を聞き、フリクセルはにこりと笑う。
 リャッテには気遣わしげな視線を向ける――が、そこで表情を変えないのは人徳か鍛錬の賜物か。

「では早速――と言いたいところですが、いま少し話の続きがあります」

 言いながら、もう一枚、地図を円卓の中央へ。

 

ciryl.png「妖魔の出たという場所はこのあたり」

 アンセルムの北、川を渡って半日とすこし歩いたあたり、と、言葉と指先で説明する。

「街の――アンセルムの守備と治安を担う衛兵が斥候を出しましたが、街道の北西に足跡が続いていたのを確認したのみとのことです」

 冬場のこととあっては、なかなか森の奥まで追うのは難しい。
 騎士はいても、冬の野外を自在に動き回れる騎士はそう多くはないのだ。

「あなたがたが着く頃には、なにか新しい報せが入っているかもしれませんが」

 今のところわかることは多くないのです、とかれは言う。

 ――ただし。

「妖魔どもの居場所は――正確にとはいきませんが、ある程度絞り込むことはできます」

 街道を襲撃できる位置。
 街道から追うには手間のかかる場所。

「蛇の街道を、襲われたというあたりから北西に逸れて、1刻内外というところでしょう」

 近くなれば発見されやすく、遠すぎては街道を行き来する者を襲うに手間がかかりすぎる。

「ちょうどそのあたりから、山も険しくなっていきます」

 であれば、おそらくはその手前まで。

「このあたり――少し範囲は広いかもしれませんが、」

 言葉を切り、冒険者たちを見回し、再びかれは笑みを浮かべる。

「兵士でなく、騎士でなく、冒険者にお願いするのはそういった理由なのです」

 話が逸れました、とまた笑い、地図の端を指す。

「そのあたりへ行くのであれば、道はふたつあります」

 ひとつはアンセルムから。
 いまひとつは、アンセルムの手前、ローナムから蛇の街道の側道――フラナリー街道を通り、近くの村、シリルから。

「ローナムから数えると、アンセルムへは1日、アンセルムから4刻ほど。あわせて2日ほどの行程です。
 シリル回りは少々日数が――シリルまで3日半、シリルから1刻といったところで、あわせて4日ほど」

「早いほうがよいのか、現地に近いゆえに入るであろう情報に期待するか。
 こういった場合に巧遅がよいのか拙速がすぐれるのか、私は判断しかねます」

 ゆえに、とかれは言う。

「皆さんで、よりよいと思われるほうを、お選びいただきたいのです」

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■GMから

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 さっそくですが、ひとつ選択をお願いします。

 現地入りのルートですね。
 依頼人が提示したルートはふたつ、

  ・アンセルム経由
  ・シリル経由

 です。
 シリルのほうが現地に近く、アンセルムのほうが行程は短い、というところです。

 ほか、こんなことがしたいというご希望や質問などもどんどんどうぞ!


 ◆補足1:時間単位について
  1刻=だいたい2時間とお考えください。よって、半刻=1時間、四半刻=30分くらいです。


 ◆補足2:妖魔の拠点近辺→シリルの移動について
  地図上では高低差が見えませんが、シリル→妖魔のいそうなあたり はだいたい下りです。
  逆行する場合、上り返すことになるため、移動には倍の時間がかかります(つまり逆方向は2刻=4時間かかります)。


じゅんじゅんさん

 魔晶石は購入可能です。
 購入に使える時間もあまりありませんので3点まで、おひとりさま3個以内としましょうか。

 ・・・・・・3点とか買うと赤字な気もしますね!気のせいですきっと!