家捜しの顛末
GM(Lain) 2011.12.21 [03:14]
> 「さあ順番に調べていきましょう。
> 本領発揮と言うところを見せて下さいますよね?」
「お、遠慮がなくなってきたじゃない」
ヴェロニカはそう言いつつ、どこか嬉しそうな様子だ。
率直に期待されていることを喜んでいるのかもしれない。
※ ※ ※
> まずは...このタペストリーは怪しくないでしょうか?
> 裏側に何か隠されていないか調べてみましょう」
タリカの言葉に、ヴェロニカはふんふんと頷きながらタペストリをめくって回る。
「うーん、ハズレだね。
特に何も、」
念のため、とタペストリの裏の壁をあちこちこんこんと叩いて、彼女は言った。
「ないみたいだ」
※ ※ ※
> この石がなにかわかりますか?」
「たぶん天井から落ちてきた奴だと・・・・・・あれ?」
ヴェロニカがなにかを拾い上げた。
「・・・・・・だめだ、壊れてる」
天井から落下したものと思われる石塊の下でふたつに折れていたそれは、ブローチだった。
葦の穂をかたどったもので、見たところ銀製のようだ。
残念ながら金銭的価値はないに等しい。
「惜しかったねえ」
言いながら机の上をもう一度眺める。
落下した石材に混じって、平たい板のようなものがある。
「・・・・・・?」
ヴェロニカが机の上に身を乗り出し、そっとその板の埃を払った。
「・・・・・・粘土板だね、これ。
昔は、ああ、古代王国時代よりずっと昔ね、まだ羊皮紙とかできる前、こういうのに記録を残してたらしいよ。
ほら、」
確かにそこには文字のようなものが刻まれている。
「下位古代語だ――あとで読んでみよう」
ごとり、と音を立て、粘土板を机の上に戻す。
「あとは机の中、かな」
言いながら慎重に引き出しを開け、中身を検分してゆく。
机そのものが激しく傷んでおり、それは中に入っていたものも同様だ――ことに羊皮紙は保存の状況がよくなかったためか、読める部分がほとんど存在しない。
だが、引き出しのひとつから、ヴェロニカが魔晶石を見つけ出した。
大きさも悪くない。
「お、こういうの、期待してたんだよねー」
ヴェロニカもようやく見つけた戦利品に顔を綻ばせている。
※ ※ ※
> 鍵をかけるだけではなく、罠まで仕掛けてあるとは随分と用心深かったようですね。
> それだけこの部屋には重要なものがあったのでしょうか」
「そうだねえ・・・・・・昔の奴らの考えることはよくわかんないけど、まあ、うちらのご先祖に恨まれてたみたいだからねえ」
遺骸を検めていたヴェロニカが、その指から何かを外した。
机の上に置く。
「そんで500年たってから、実際こうやって盗りにきちゃうわけだけどねえ」
感慨深げな台詞とは裏腹に、やはりヴェロニカはどこか楽しそうな風情だ。
彼女は純粋に、この状況を楽しんでいるのだろう。
「シグネットリング、だね。葦の穂の意匠だ――ここの連中のなにか、紋章みたいなものかもしれないね」
※ ※ ※
その後、棚からは銀製の短刀が発見された――柄に細工の施された、なかなかの品だ。
書架からは収穫がない――少なくとも、本の体裁を保った本はそこに残っていなかった。
戦利品は期待通りのものであったかどうか、だがヴェロニカは素直に気分を良くしたようだ。
「まあだいたい、ここ来るときに使った分くらいは取り返せたかな」
--------------------------------------
■GMから:
この記事への返信は「203_二層・部屋3」カテゴリにチェックを入れて投稿してください。
>がるふぉさん
ターン6を終了しました。
魔晶石(3)、細工のされた銀のダガー、葦の穂の意匠のシグネットリングが発見されました。
ほか、下位古代語で何事かが記された粘土板があります――この内容は別途記事を立てます。
銀のダガーについては必筋を決めてください。
また、ダガーとリングのそれぞれについて、2d6を1回ずつ、計2回振ってください。
価値決定ロールです。
なお、机の上の石材は天井から剥落したもののようです――特に価値はありません。
この部屋の捜索は終了しました。
(別途記事を立てますが)粘土板の解読には特にターンは必要ありません。
ターン7の行動を決定してください。